『ソース〜あなたの人生の源は,ワクワクすることにある』マイク・マクマナス【書評】ワクワクを糧にして生きていくには?
この本の通り生きれば,人生にパラダイムシフトが起こる
この本の前に読んだ心屋仁之助著『「好きなこと」だけして生きて行く。』も今までの自分の価値観とはかけ離れた内容でしたが,この本はそれ以上に価値観が根底から覆る本でした。
本書のタイトルであるソース(Source)とは「源」という意味です。本書では「ワクワクの源泉」,「生きる意欲の源」,「奇跡の泉」という意味で使われています。本書の内容はタイトル通り,一言で言えば「自分がワクワクすることをしよう」です。そして,世間一般の常識をことごとく否定します。
生まれながらのワクワクを追求することこそ,もっとも責任ある生き方であり,人間として一番大切な行為なのです。
適性があると言われたからといって,それをする必要もなければ,好きになる必要もない。しかし,適性がなくてもワクワクすることなら,やったほうがよい。
下手でも心を燃やせるものなら,ぜったいにやりつづけよう。
私たちにとって最善の行為は,決断をぐずぐず先に延ばすことだ。
自分がやりたいことを全部やるのは可能だ。むしろ,やりたいことはすべてやるべきだ。真に豊かな人生を送っている人たちは,やりたいことをすべてやれる生き方をしている。
自分の夢に優先順位をつけるな。優先順位をつけると,リストの最後まで実行する時間はまずない。
いやいやいや
やるべきことはたくさんある。
「好きこそ物の上手なれ」ってことわざはあるけれど,「下手の横好き」ではダメでしょう,ただの趣味ならいいけれど。
決断は早いほうがいいに決まってる。
何かをするからには他の何かをしないという選択をしているということ。
じっくり読むといちいち否定してしまいそうになります。
でも,本当はできるなら誰だってそうしたいよ
と思っていることばかりですよね。
できないから,そう思っているんですよね。
「ソース」のプログラム
①「自分のワクワクを全部書き出そう」
最近,ワクワクしたことってあったかな。僕はこの本を読んだ一番の目的はワクワクの見つけ方です。
本書では,ワクワクの見つけ方を次のように書いています。
ひとりで静かに散歩でもしたなら,自分の大好きなことがいくつも思い浮かぶでしょう。自分の好きなことを探す場所は三つあります。「過去」と「現在」と「未来」です。
「過去」に自分はどんなことをしている時が幸せだったか。
「現在」好きなことで,時間がないからと決めつけ,あきらめていることは何か。
「近未来」に関しては,あれがやれたらなあ,一度でいいからやってみたいなあ,と思っていることは何か。
②「同時実行」
自分がワクワクすることは一つ残らず,すぐに実行したほうがいい。
つくったワクワクリストについて優先順位なんてつけずに全部当時に実行しようと著者は言います。
③「同じ量の情熱を傾けよ」
これは,ワクワクリストの全てに同じだけの時間やお金,体力を使うということではなく,同じくらいの情熱と関心を持って向き合おうと言っています。
④「小さな一歩を踏み出そう」
「小さな一歩」は自分が楽に実行できる範囲の行動に限ります。そうして,正しく踏み出せたなら,動きにはずみがつき,もはや止めることができません。
⑤「目標を立てるな」
目標を立てる代わりに,目指す方向だけを決めておくほうが,長期的には多くを成し遂げられる。
⑥「信念を持ち,自分の直感を信じよう」
信念には偉大な力がある。
そして,自分の直感を信じ,直感を無視しない。
何も感じられなければ,感じられるまで決断を延ばす。待っていれば,いずれ何かを感じます。その感覚があなたの本当の直感です。
そして,著者は
まず,やりたいことをやる。お金は後からついてくるといいます。
この考えは,心屋さんと同じですね。
自分自身,こうした考えがまだ腑に落ちてはいません。
しかし,理論とか,実証されているかどうかとか,再現性とか,そういったことを抜きにして,こういう内容の本を読むこと自体,楽しく,ワクワクすることでもある。
諦めるということ
話は変わりますが,
以前,元陸上選手の為末大さんの『諦める力~勝てないのは努力が足りないからじゃない』
を読みました。その中でこのように書かれています。
世の中には、自分の努力次第で手の届く範囲がある。その一方で、どんなに努力しても及ばない、手の届かない範囲がある。努力することで進める方向というのは、自分の能力に見合った方向なのだ。
自分の憧れる存在が本当に自分の延長線上にいるかどうかということを、しっかりと見極めるのは非常に大事なことになってくる。自分とはまったく接点のない人に憧れて、自分の短所を埋めているつもりが長所ごと削り取っている人はかなりの数に上ると思う。僕はこれを「憧れの罠」と呼んでいる。
人生は可能性を減らしていく過程でもある。年齢を重ねるごとに、なれるものやできることが絞り込まれていく。可能性がなくなっていくと聞くと抵抗感を示す人もいるけれど、何かに秀でるには能力の絞り込みが必須で、どんな可能性もあるという状態は、何にも特化できていない状態でもあるのだ。できないことの数が増えるだけ、できることがより深くなる。
人間には変えられないことのほうが多い。だからこそ、変えられないままでも戦えるフィールドを探すことが重要なのだ。
僕は、これが戦略だと思っている。戦略とは、トレードオフである。つまり、諦めとセットで考えるべきものだ。だめなものはだめ、無理なものは無理。そう認めたうえで、自分の強い部分をどのように生かして勝つかということを見極める。極端なことをいえば、勝ちたいから努力をするよりも、さしたる努力をすることなく勝ってしまうフィールドを探すほうが、間違いなく勝率は上がる。
この為末さんの考え方は本当に現実的で,その通りだと思います。
子供の頃,クラスで一番走るのが早くて,オリンピックで金メダルを取るとか,
野球部でエースで4番だった子がプロ野球選手になるとか
そういう夢を持つことはたくさんありますが,その中で夢が叶う確率は本当に低い。
年取っても草野球を楽しむという話ならともかく,好きなことで食べていくという話ではないですよね。
そして,年をとるほど選択肢は少なくなっていく。
ゴルフが好きで毎日会社帰りに練習して,週末にコースを楽しむ。
歌うのが好きだから,毎週カラオケに行く。
そういった類のワクワクも,もちろんステキなことですが,それだけではいつまでたってもお金はついてこない。
次の行動計画
趣味ならともかく,お金にするためには価値が必要です。下手の横好きでも喜んでくれるのは本当に身近な人だけでしょう。
だからこそ,やっていて好きで楽しい,かつ得意で強み。
この両方を兼ねることこそ,価値であり才能だと思います。
ワクワクリストをつくり,その中で得意なことを探す。
これがソースであり,好きなことだけして生きていく道につながる。
早速,つくってみよう。
あなたは,ワクワクすることをしていますか?
あなたの仕事は楽しいですか?
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