『エニアグラムで分かる 9つの性格』ティム・マクリーン , 高岡 よし子【書評】あなたはどんな人?
「あなたはどんな人ですか?」
「あなたはどういう性格ですか?」と聞かれたら、何と答えますか?
自己アピールが得意な人なら,すぐに理路整然と自分自身がどういう人間か,すぐに答えられるでしょうか?
ちなみに僕はいま,こう聞かれたら,うまく答える自信はない。
こんなに毎日,共に過ごしているにもかかわらず,簡潔で明瞭に説明できない。
エニアグラムとは「9つの点を持つ図」
エニアグラムは,人を9つのタイプに分類します。
そして,それぞれのタイプが本質的にどういう性質なのかを説明します。
〈タイプ1完璧を求める人〉
責任感が強く、きちんとしていて、真面目です。高い理想や基準を自分の中に持っていて、「 ・・であるべき」と考えます。ものごとを正し、現実を理想に少しでも近づけるためにハードに働きます。理性的で現実的です。正義感があり、公平です。
〈タイプ2助ける人〉
フレンドリーで親切です。人生でとくに大事なものは人間関係やつながり、思いやりです。自分のことよりも相手に意識が行きがちで、必要とするものを察して提供し、励まします。喜んでもらえることが自分の喜びとなります。
〈タイプ3達成する人〉
自信があり、合理的な考え方をします。向上心が強く、「やればできる」という態度を持っています。目標を目指してハードに働き、人にいい印象を与え、高く評価されることを望みます。クールな反面、傷つきやすく繊細なところもあります。
〈タイプ4個性を求める人〉
繊細で感性が鋭い人です。美しく、深いものを求めます。自分は他の人とは違い、特別であるという意識があります。人から距離を置き、近寄りがたい雰囲気がありますが、目立ちます。自分の内面でストーリーやドラマをつくりだす傾向があります。
〈タイプ5観察する人〉
典型的な思考タイプで、理性的です。集中的に知識や技術を習得し、詳しい分野をもっています。ものごとの渦中に入っていくよりも、一歩引いて観察眼を発揮し、分析します。斬新な発想の持ち主で、自分自身で考え、結論を出すことを好みます。
〈タイプ6信頼を求める人〉
真面目で、安定志向。問題となり得ることに敏感です。信頼でき、頼りになる人や考え方、方法、組織などを求めます。そして信じようとする気持ちと、疑う気持ちの間を揺れ動きます。自分に対する周りのさまざまな期待に応えようとします。
〈タイプ7熱中する人〉
明るく、フレンドリーです。冒険や楽しいこと、ワクワクすることに熱中します。アイディアにあふれ、考えたらすぐ動きます。ものごとに楽観的で、自由を好み、適応力があります。多才な反面、腰を落ちつけて集中しにくい傾向があります。
〈タイプ8挑戦する人〉
パワフルで腹がすわっています。自信があり、存在感があります。意志が強く、はっきりものを言います。情に厚く、親しい人たちに対して面倒見がいい人です。周囲をコントロールする傾向があります。弱いことが嫌いで、タフにふるまいます。
〈タイプ9平和を好む人〉
穏やかでのんびりしています。居心地よくいられることが大事で、周りの人たちとの調和をはかります。人生は何とかなると考え、ものごとを実際よりもよいものとして見がちな傾向があります。自分にとって慣れ親しんだやり方やペースを守ろうとします。
このエニアグラムで面白いと思うのは,通常こういったタイプ分類等を定義するものは,診断テストで「あなたのタイプは〇〇です。」と明確に回答されるものが多いのに対し,エニアグラムでは診断テストが用意されているもののその結果を断定しないことです。あくまでも目安であり,自分のタイプは自分で探し,見つけ出していく。その過程を,自分や人を理解する機会ととらえます。
僕は,タイプ5だと思われます。
他のタイプに当てはまる点もありますが,タイプ5の説明が一番しっくりきます。
ちなみに,僕が自分に望むタイプは,
〈タイプ3達成する人〉
〈タイプ7熱中する人〉
〈タイプ8挑戦する人〉
あたりですね。
ストレングス・ファインダーでもそうでしたが,僕はやはり自分以外の強みや性質に憧れる傾向があるので注意しなければ。
9つの性格タイプは円周上に配置され,各タイプは2本の線によって他のタイプとつながっています。
2本の線は「成長とストレスの方向」を表すとのこと。
たとえば,タイプ5であれば,タイプ7とタイプ8とつながっています。
ストレス時にはタイプ7のマイナス面の特徴が表れ,逆に成長するにつれタイプ8のプラス面の特徴が表れるらしい。
タイプ7のマイナス面が表れると,意識が散漫になり、テンションが高くなり、さまざまな考えや活動に飛びつく。
逆にタイプ8のプラス面が表れると,頭の世界からより体の感覚に根ざすことで,自信が身につき,そのビジョンにより人を導く。
とのこと。
ということは,最近,積読本がどんどん増え,いろんな本から知識を得たい,セミナーとかに参加して学びたいと思ったりするのは,ストレス時の状況で今は不健全な状態ってこと?
まぁ薄々感じてはいたので,大きな衝撃ではないけども。
そう考えると,自分がタイプ5であることが腑に落ちます。
そして,良くない状態ならば,それを自分で理解していることと理解していないことは大きく違いますよね。
今,この本に,エニアグラムに,出合えたことはほんとに幸運かも。
自分と他人を知るツール
ストレングス・ファインダーにしてもエニアグラムにしても,こういったタイプ診断について,批判的な考えを持つ人も多いと思います。安易に分類されることに抵抗を感じる人もいるでしょうが,僕はどちらも自分を知るツールだと思います。自分自身がどんな人間かを考えるきっかけになり,そして他人との違いに気づくようになります。
ストレングス・ファインダーは全部で34資質あり,その順番により自分の強みと弱みを教えてくれ,強みにフォーカスすることの重要性を教えてくれますが,エニアグラムはそれぞれのタイプごとに,良い状態と悪い状態について説明してくれ,向かうべき方向性を示してくれます。
エニアグラムについては,他にも関連書籍があるようです。
違う書籍も読んで,もっと理解を深めようと思います。
もっと知りたいと思うのは,タイプ5の典型ですね。
あなたもぜひ試してみてはどうでしょう。
もしかしたら,まだ知らない本当の自分が待っているかも。