岡島悦子著『抜擢される人の人脈力』【書評】これからの自分の仕事、人との付き合い方を考える上での必読書!
この本は、素晴らしかった。
自分自身、この数年、今の職場でデスクワーカーになってから、ほとんど新しい人と会っていないと感じていました。
職場以外の人と本当に会わない日々が続いていました。
コレはホント〜〜に良くない!
これから仕事をしていく上で、社会生活を営む上で、人生を楽しむ上で、必ず必要なこと。
少しでも参考にしたくて読んでみました。
誰もが可能な人脈構築法「人脈スパイラル・モデル」
本書では、「人脈スパイラル・モデル」として、5つのステップが紹介されています。
②コンテンツを作る(「お、こいつは」と思わせる実績事例を作る)
③仲間を広げる(コンテンツを試しあい、お互いに切磋琢磨して、次のステップを協創する)
④自分情報を流通させる(何かの時に自分のことを思い出してもらうよう、種を蒔く)
⑤チャンスを積極的に取りに行く(実力以上のことに挑戦し、人脈レイヤーを上げる)
これは、
あなたと話した人が、思わず他人に話したくなるようなキーワード(タグ)を考え、そのキーワードを立証するような実績事例(コンテンツ)を作り、仲間という人脈の中でそのタグやコンテンツの伝わりやすさを検証し、仲間以外の人に向けてもタグやコンテンツを流通させ、抜擢の機会を呼び込む、というプロセスであり、
5つの項目の順序が重要、そして1つずつのステップを積み上げていくことが必要で、そのように人脈を構築していくことで、人脈レイヤーを上げることができると説かれています。
人脈スパイラル・モデルを1周りするごとに「人脈レイヤー」が上がり、自分の能力も、付き合う人(人脈)のレベルも、活躍するステージのレベルも、「スパイラル(螺旋状)」に上昇していくといいます。
成功者の話ではよく聞く話ですが、非常にわかりやすい。
自分にタグをつける
本書を読んで、この表現がとても印象深く残っています。
(全然関係ないが、そういえば、Evernoteのタグは使い始めた時に設定しただけで、全然活用していない。
使えば、非常に便利な機能なのですが。)
著者は、
タグを「Will」「Skill」「Value」の3つから考えるようにと言っています。
「タグをつける」とは、”仕事における自分”の訴求ポイントを明確に規定し、相手にわかりやすく伝え、何かのときに思い出してもらうために印象付けること
タグ② 自分にできることは、何か「Skill(能力)」
タグ③ 相手にどんなメリットをもたらすか「Value(提供価値)」
①将来、どんな仕事をしたいか
・キャリアの方向性
・キャリア・ドリフト(漂流)
・「やりたいこと」をあらかじめ表明しておく
・「やりたい仕事を手にするために、今どんな努力をしているか」
・「やりたいこと」を考えるにあたり、非常に重要なことは、「自分との対話(内省)」
・自分が本当に何を欲しているのか
②自分にできることは、何か
自分のスキルセットを端的に表す「職能」は何かを考える
③相手にどんなメリットをもたらすか
相手に自分のタグを見せる時は、「自分がいかにすごいか」「どれだけ役に立つか」「いかに自分の希少性が高いか」を一方的にアピールするのではなく、相手が受け入れやすい形に加工する必要がある。
コンテンツを作る
・「タグ」の信憑性を増すエピソード(実績事例)
・「ギブ&ギブ」からコンテンツ生まれる
・もしコンテンツを作れそうなチャンスを得たら、いきなり「自分のやりたいこと」を実行してはいけない。
・まずは、相手に「自分の可能性や価値を認めてもらう」
・「相手が求めていることに100%で応える」
・「ギブ&ギブ。ずっと後になってからでもいいから、何かテイクできればラッキー」くらいの気持ちが必要。
自分自身にタグ付けをしてから、コンテンツを作っていく。
これも本当にわかりやすい話です。
そうして、いくことで自分の市場価値が上がっていくということ。
著者は市場価値を以下の方程式で表しています。
市場価値=能力✖️実績✖️意欲
今の仕事が「頑張るべき」環境かどうか
「頑張れる」人が持っている3つの縁(よすが)
「いやだな」という気持ちを持った時に、「その仕事と私をつなぐ縁は何か」を考える
縁=心のよりどころ
仕事の縁は大きく三種類
・結局のところ、今やっている仕事が好きだ
・この社長や上司なら、ついていける
・一緒に仕事をしている仲間となら困難にも立ち向かえる
転職すべきか否かという大きな決断をするとき、こういうフレームワークを持っていると思考の補助線となりますね。
まとめ
本書は、読む人の立場、考え方、働き方、今いるステージ等々、それぞれの状況によって受け取れることは様々でしょう。
転職したい方にも、起業したい方にも、そして、会社員の方にもオススメです。
著者は、収穫期である「チャンス到来」に備え、いつ声がかかってもいいように、「準備万端な状態」(=「いざ、鎌倉」)にしておくように、と言っています。
もちろんこれは、人からの抜擢だけではなくて、時代、物事のタイミング等、チャンスに備えて準備しておくということ。
僕自身、これからの仕事人生おいて、今はタグもタイミングも想像つかないけれど、気づいたときには乗り込めるように自分自身に新しいタグをつけたい!!
と思います。
とても面白い本です。
最後に著者の言葉を引用したい。
人生は一度きり
「好き」を仕事にするか、仕事を「好き」に引き寄せるべき