『「週4時間」だけ働く。』【書評】スキルとマインドの両方を教えてくれる本!
キャッチーなタイトル
キャッチーだけど、実際どうなの?
「週4時間」だけ働く。
「週4時間」、、、「1日4時間」じゃないです!
この本を開くと、一体何をもたらしてくれるんでしょう!?
本の上部には、
9時−5時労働からおさらばして、世界中の
好きな場所に住み、ニューリッチになろう。
とあります。
タイトル、サブタイトルともキャッチーさは抜群ですね。
日本人のサラリーマンだと、「俺の労働時間は9時−5時どころじゃない!!」って人も多いでしょう。僕もそうです。
僕の会社では、9時−5時労働が可能なのはパートさんだけです。
タイトルからすると、一見デタラメでいい加減な本という印象を受けるかもしれないですが、そんなことはまったくありません。
ニューリッチになるための「4つのステップ」
著者は、読者が会社員であろうと起業家であろうと、4つのステップと戦術を使えば、驚くような成果が得られるといいます。
「4つのステップ」=DEAL
間違った常識を覆し、安宅強い競争に備えてルールと目標を導入すること。
定義づけすれば自虐的な思い込みに陥らず、「相対収入」や「いいストレス」といった考え方を取り入れることができる。
タイムマネジメント(時間管理)なんていう時代遅れの考え方をきっぱり捨てること。
1日12時間労働を1日2時間、いや2日で2時間の日々に変える。
キャッシュフローをオートパイロット化すること。
地理的条件を生かした裁定取引、アウトソーシング、「決断しない」ルールなどを使う。
全世界を舞台にするための行動宣言。
遠隔操作で完璧に仕事をコントロールし、上司の監視から逃れる。
単に長期休暇をとって格安旅行をすることではなく、1つの場所に人を縛り付けているようなしがらみを永遠に断ち切ること。
ポイント
600ページを超える本で、いろいろな事例、参考サイト等が記載されています。
読むと面白い内容も多いですが、もちろん全てに目を通す必要などありません。
僕が思う本書でのポイントは、ステップ2「E」=捨てる(Elimination)の中にある
パレートの法則とパーキンソンの法則です。
80:20の法則とも言われる非常に有名な法則です。
もともとイタリアの経済学者が提唱したものですが、経済以外にも自然現象や社会現象等々、いろんな事例に当てはめられていますよね。
結果の80%は原因の20%から出てくる。
成果の80%は労力と時間の20%からもたらされる。
利益の80%は製品と顧客の20%からもたらされる。
こちらも提唱した著者名に由来する法則です。
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する。
支出の額は、収入の額に達するまで膨張する。
人はついついどんな仕事にも、もっと良いものにできると思い全力投球してしまいがち。
猶予がありすぎると、それに合わせて質を上げようとして、必要のないことにまでコストや労力をかけてしまいます。
要は、デッドラインを決めるということですね。
以前、読んだ本も参考になりました。
著者は生産性の向上に相乗効果をもたらすアプローチは2つ
1 仕事を重要なことに制限すると、仕事時間が短くなる(80/20の原理)
2 仕事時間を短くすると、仕事が重要なことに制限される(パーキンソンの法則)
で、両方を一緒に使うことを推奨しています。
つまるところ、本書のステップは、この2つの法則を徹底的に突き詰めていくことで達成可能だと言えると思います。
実践には覚悟と決意が必要
今勤めている会社で情熱、エネルギーを持ってやりたいことがあり、なおかつ短時間勤務も併せて達成したい人、また経営者にとってはすぐに使えるノウハウ満載で参考になることは多いです。
そうではない普通の日本のサラリーマンが本書を読んで実際に試してみるにはハードルが高いこともたくさん記載されています。
「さすがにこれは現実的に無理でしょ!?」と思う内容もあります。
それはそれで、読んでて面白いですが。
長時間労働を是とする職場ではなおさらのこと。
そういう職場でいるなら、ニューリッチになるためには、転職の方が手っ取り早いでしょう。
でも、どんな会社、どんな立場でも、工夫次第でいくらでもできることはあります。
本書の終わりには、読者によるケーススタディ、ヒント、仕事術が紹介されていて面白いです。
まとめ
多くの自己啓発本と同様に、本書でも各章の最後にQ&Aというコーナーがあり、考える機会を与えてくれています。
自分の人生をどうデザインしたいか?
その上で、「週4時間」というキャッチフレーズ通りにする必要はないですが、短時間労働をするのか? それともワーカホリックな人生を送るのか?
(いや、そもそもこのタイトルの本を読むのは、人生を謳歌したい人で、長時間労働をしたい人は、そもそもこのタイトルの本を手に取ることはないですね)
やはり、本は読んで終わりではなく、読んだ後どうするかが問われます。
そして、ライフスタイルはどんどん多様化していることを改めて考えさせてくれます。
そうはいっても、自分の人生、周りに流されずに自分の意思で決めることって簡単なようで簡単ではない。
少なくとも僕はそう感じています。
現状を捨てて、違う自分を生きるのは、怖い。
そして、逃げるようで情けない気もする。
でも、ワクワクしない、夢中になれないことをし続けることの方が逃げているとも言えなくもない。
こんなの無理、できないではなく、自分が望み、そして自分ができることは何か?
そう、問い続けていこうと思わせてくれる。
素敵な本です。
そして、本書の最後で、基本四大原典として紹介されている本もどれも面白そうです。
億万長者のビジネスプラン―ちょっとした思いつきとシンプルな商品があればいい
ふと家の本棚を眺めると、この中に積ん読本となっている本があったので、ようやく読むきっかけとなりそうで嬉しい(笑)